保険の総合代理店 株式会社エニシア
縁 + 幸せ巡り合った全ての人の幸福を願い、一緒に創造する。
【本店】〒192-0062 東京都八王子市大横町13-19 あいおいニッセイ同和損保ビル3階

スタッドレスタイヤの選び方

2024.12.25
吐く息も白くなり、寒い日が続くようになりました。みなさん、スタッドレスタイヤへの交換は済みましたでしょうか?冬の安全運転にかかせないスタッドレスタイヤ。各メーカーから、さまざまな種類のスタッドレスタイヤが発売されています。しかし、住んでいる地域や使用目的、路面状況によって求められる性能が違うことはご存じでしょうか?似ているようでも性能は異なり、感じ方も変わるでしょう。
今回はタイヤに使われているゴムの種類や特徴についてのお話です。ぜひ参考にしてみてください。
凍った路面でタイヤが滑るのは、氷とタイヤの間にできる「水膜」が原因です。乾いた氷は滑りません。冷凍庫から出したばかりの氷は乾いているため、指で掴んでも滑らないことがわかります。一方、氷は圧力がかかると溶けて水になり、水膜が形成されることで滑りやすくなります。これは氷上のスケートやカーリングと同じ原理で、「ハイドロプレーニング現象」とも呼ばれます。氷が溶けることでタイヤと指の間に水の膜ができ、摩擦係数が下がるため滑ってしまいます。
冬の悪路でも、凍った路面とタイヤの間で同じことが起きています。
スタッドレスタイヤのゴムには、凍った路面でも滑りにくくするために、各メーカーが開発した技術が詰まっているのです。
しかし、目的は同じでもメーカーによって考え方や得意とする領域は違います。異なる点を理解して、スタッドレスタイヤを選ぶときの基準にしてください。
スタッドレスタイヤの「ゴム」に注目して、それぞれの特徴について解説していきたいと思います。

● B社 発泡ゴム

発泡ゴムは、ゴムの内部にたくさんの「気泡」と「太い水路」を作ることにより、路面とタイヤの間にできた水膜を取り込み、排出します。

・凍結路面、圧雪路面に強いため豪雪地域での支持が高い
・走行の静粛性が高い
・性能を長期間維持しやすい
・販売価格が高い

● Y社 吸水ゴム

吸水ゴムは、その名の通りタイヤと路面の間にできる水膜をできるだけ吸収して除去し、タイヤと路面を密着させて滑りにくくしています。

・アイスバーン等の氷上性能が高い
・雨で雪が溶けて濡れた路面でも滑りにくい
・タイヤのランクによっては走行音がうるさく感じる場合がある
・通常のスタッドレス耐用年数内では問題ないが、それを越すと性能が維持しにくい

● D社 ナノ凹凸ゴム

ナノ凹凸ゴムは、タイヤの表面から突き出している凹凸構造の部分がすばやく水膜に届くことで、水膜を除去する時間を短くしています。

・時間が経っても性能が維持しやすいので、長く使用できる
・凍結路面から雪上、ウエット路面、ドライ路面まで、あらゆる路面条件でバランスの取れた性能を発揮
・あらゆる路面でバランスが取れているが、豪雪地域では装着率低め

● T社 吸着クルミゴム

吸着クルミゴムは、吸水効果の高い「NEO吸水カーボニックセル」でタイヤと路面の間にできる水膜をスムーズに除去します。
天然由来成分を使うことで、環境にも優しいゴムを実現しています。
また、独自の技術「鬼クルミ殻」を配合することで、凍った路面をしっかり捉え、ひっかき効果を強化しています。

・あらゆる路面に対応していてコストパフォーマンスが高い
環境に優しいクルミの殻を配合
国内の主要自動車メーカーのミニバン、SUVに多数採用されている

● M社 表面再生ゴム

表面再生ゴムには「Mチップ」という最新技術が詰まっています。タイヤの摩耗が進むとタイヤ表面に出てきたMチップが溶け、たくさんの穴が出現。この穴が、タイヤと路面の間にできた水膜を除去し、路面との密着度を高めています。
それだけではありません。Mチップを詰めることでタイヤ自体の強さをアップさせているので、やわらかいゴムを使用できるメリットもあります

・タイヤの柔らかい状態が続くので性能が長持ち
・やわらかいゴムなので氷上性能が高い
・販売価格が高い

季節や用途に応じた正しいタイヤ選びをすることも大事ですが、タイヤの寿命や空気圧管理、適切なメンテナンスもしっかり行うことで、タイヤの性能を最大限に引き出し、安全なドライブを続けることができます。自分に合った最適なタイヤを見つけ、安心して冬のドライブをお楽しみください。
(仙南支店 伊藤)